KL発飛日記

マレーシアに赴任してた(現在は日本在住)の旅行好きによるB級旅行記・ホテル宿泊記・フライトルポなど

DMZツアーに参加してきた

前々から気になっていたDMZ(非武装地帯)ツアーに参加してきたよ。本当はガチ境界線上にある板門店まで見学したかったが、2023/2現在開放されていないようなので断念。

始発電車で集合場所最寄りの市庁へ。2月のソウルの早朝は寒すぎて死ぬよ。

今回は勝手がよく分からなかったので「コネスト」経由で予約、半日少々のツアーで8000円弱だった。

バスの前方席は白人ツアー、後方に日本人が詰められるという構成でガイドもそれぞれの言語に対応すべく2人乗務であった。確か1時間ほどで民間人統制線沿いにある臨津閣に到着。ソウルから境界線近すぎるし、現実には起こらないが仁川を飛び立った飛行機はぼーっとしているとすぐ北の領空に突入してしまう。

臨津閣

民間人統制区域に入場するためのパスを購入するとかで小休止

このイムジン河を超えると統制区域なので警備とフェンスが物々しい(非武装地帯の境目ではないし無論国境でもない。)ここが許可なしで一般人が立ち入れるギリギリの区域ということで周辺には統一を願うモニュメンが多数。なんとなく北方領土返還を願うプレートが多く存在する納沙布岬とイメージが被る。

ここで入場料を支払い川に最も近づけるスポット、京義線の橋脚跡へ。手前の橋脚の赤くハイライトされた箇所には朝鮮戦争で打ち込まれた弾痕が今も残っている。奥の橋脚は現役のもの(自由の橋の名称で有名)で、観光列車に乗ればこの橋を渡り都羅山駅まで行けるが、現在休止中とのこと。

ちなみに写真撮影が厳しく、例えばこの画角の撮影は許可されているがこの地点から左右方向の撮影は厳禁。

すぐそばには破壊されたSLが戦争の悲惨さを伝えている

ここで待ち時間が長かったので朝食。観光客向けの飲食店が複数軒存在しており、適当な店に入ってうどんを注文してみた。

韓国でうどんは初めて食うが、関西風のものに似ている。。。というか日本のと一緒。胃に優しい。

都羅展望台

再びバスに乗り込み民統線内部へ。

イムジン川超える橋で身分証チェックが全参加者に対し行われ、ちょっとだけ緊張感が走った。ガイド曰く民統線超えるだけなら大したことないが、板門店まで行くツアーだと警備レベルも更に高く結構物々しいとのこと。

事前情報ではこの建物が展望台だがその前を通過し、

新しい展望台へ案内された。

旧展望台は撮影制限があったらしいが、新展望台は特になく写真撮り放題。

中央のフェンスが南方限界線で、右側がDMZ(=非武装地帯)。今日はガスっていたのであまり遠くまで見渡せず、双眼鏡を使ってギリギリ北側の建物・国旗掲揚台を見ることが出来た程度。とは言えあの国に近づけてテンションが上がった。

DMZとは逆方向を眺める。見づらいけど写真右奥の大きな建物が国境駅である都羅山駅。

周囲には地雷警告看板が結構目につく。日本ではまずお目にかかれないね。こんな観光客が大勢来るエリアに地雷が残っているのかは不明だが、勝手な行動は厳に慎むべし。

南侵トンネル

お次は北が秘密裏に造った(でもバレた)境界線を越えるトンネルを見学。短時間で大勢の兵士を送り込む目的で造られ、現在4本発見されている。まだ未発見のトンネルが残ってたりするのかな。

トンネルに向かう前の展示スペースにある警備風景やトンネル掘削の様子の模型が興味深かった。

トンネルに向かう方法としてトロッコみたいなのに乗るか、スロープをひたすら徒歩で下るかの2通りあるが、参加したツアーはどうもケチったようで徒歩で下ることに。滅茶滅茶長い坂道を往復するので結構体力を消耗した。

なお、トンネルは北まで続いていた(北から掘られたというのが正しい)が現在境界線の手前でコンクリにより塞がれている。とは言えDMZの地下を通り軍事境界線までかなり近いところ観光客も入れるので、このツアーでは一番北に近づくことが出来るアクティビティ。但し撮影不可。

最後に民統線内に存在する集落の周りをバスでぐるっと回って終了。村民であっても入域できる時間(=門限)が決まっておりなかなか生活は不便とのことだが、代わりに税務的な優遇を受けているとのこと。

行きは暗闇だったのでよく見えなかったが、ソウルへの帰り道沿いにもフェンスが張り巡らされている。このフェンスは民統線だったりあるいは海を隔てて対峙する北からの侵入を防ぐもので、写真の遥か奥に見えている陸地は北。日本にいると非現実的なネタ国家のような印象を受けるが、物理的には近い存在であることに改めて気づかされた。